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シリーズ 11
公的奨学金と教育ローンの活用で探る
『自立進学の可能性』
Part.1
日本学生支援機構の奨学金制度
Part.2
日本政策金融公庫の国の教育ローン
Part.3 自立進学シミュレーション
Part.3−@
〔1〕大学在学中にかかる費用
Part.3ーA
〔2〕タイプ別シミュレーション
シリーズ 10
『〜教育力が問われる入試制度〜AO入試』
Part.1−@
プロローグ 前編
Part.1−A
プロローグ 後編
シリーズ 9
『専門学校の実力』
Part.1
データで分析する専門学校の現状
Part.2
専門学校の就職支援
綿密な就職指導や授業で学生をサポート
Part.3
専門学校の就学支援
奨学金など多彩な制度で学びを支える
Part.4
インタビュー
東京都専修学校各種学校協会
シリーズ 8
『魅力ある短期大学づくり』
Part.1
インタビュー
日本私立短期大学協会に聞く
Part.2 事例研究
Part.2−@
学生のキャリア意識形成を全力で支援
【埼玉女子短期大学】
Part.2−A
学ぶ喜びを体感できる新カリキュラム
【東京農業大学短期大学部】
シリーズ 7
『自立進学の可能性』(2010年・改訂版)
Part.1
プロローグ
Part.2 奨学金・教育ローンの可能性
Part.2−@
日本学生支援機構の奨学金
Part.2−A
国の教育ローン
Part.2ーB
大学の支援制度
Part.3
自立進学シミュレーション
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※この記事は、2010年3月末現在のデータで掲載しています。最新版はこちらをご覧ください。
B私立大学 文科系学部=自宅通学
◆4年間の大学納付金/413万円
・初年度納付金/122万円
・2年目以降の納付金/年97万円
◆修学・生活費/年54万円(4年間で216万円)
4年間の見込み費用は約629万円と、国立・ひとり暮らしよりも安上がりだ。
初年度納付金122万円を教育ローンで調達すれば、残りは507万円となり、これを奨学金とアルバイト収入で賄うことになる。年額にして126万7,500円、月換算で約10万5,625円。アルバイト収入を月4万円とするなら、奨学金は6万6,000円ほどが必要になる。
私大・自宅生に対する日本学生支援機構の第一種(無利息)奨学金は5万4,000円だから少し足りない。後の利息負担を考えるなら、生活費を抑えてこれでなんとかしたいところだが、以下は第二種(有利子)奨学金で8万円を受給したケースで考える。
1年次の奨学金(96万円)+アルバイト収入(48万円)の144万円から、1年次の修学・生活費54万円を引くと、残りは90万円。ここから2年次前期の納付金48万5,000円を支払っても、まだ41万5,000円残る。これに、2年次前期の収入72万円から生活費半期分27万円を引いてあわせた86万5,000円から後期納付金を納め……という具合に繰り返していくと、卒業時には70万円ほど残ることになる。
シミュレーションは次の通りだ。
・教育ローンの返済月額:1万8,045円(在学中は月2,650円の利子返済)
・奨学金返済月額:2万1,531円(20年)
・合計返済月額/当初約6年間:3万9,576円、7年〜20年:2万1,531円
先の70万円を教育ローンの繰り上げ返済にあてると、教育ローンの返済月額は7,000円ほどになり、当初約6年間の返済額は2万5,000円程度が見込まれる。
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図表@/大学納付金

図表A/その他修学費・生活費

図表B/自立進学費用一覧

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C私立大学 理工学部=自宅通学
◆4年間の大学納付金/538万円
・初年度納付金/154万円
・2年目以降の納付金/年128万円
◆修学・生活費/年54万円(4年間で216万円)
4年間の見込み費用は約754万円と、国立・ひとり暮らし並みだ。
初年度納付金150万円を教育ローンで調達すれば、残りは604万円。奨学金とアルバイト収入で年151万円、月換算で約12万6,000円が必要になる。想定通りアルバイト収入を月4万円とするなら、奨学金月額は8万6,000円ほどだ。
やはり国立・ひとり暮らしと同様、月10万円の第二種(有利子)奨学金の受給ケースで考える。
1年次の奨学金(120万円)にアルバイト収入(48万円)をあわせた168万円から、1年次の修学・生活費54万円を引くと、残りは114万円。ここから2年前期の納付金64万円を納め、余った50万円と2年前期の収入84万円で、前期の修学・生活費(54万円)を賄い、後期の納付金を納める……を繰り返すと、卒業時には80万円ほど残ることになる。
シミュレーションは次の通りだ。
・教育ローンの返済月額:2万2,556円(在学中は月3,312円の利子返済)
・奨学金返済月額:2万6,914円(20年)
・合計返済月額/当初約6年間:4万9,470円、7年〜20年:2万6,914円
先の80万円を教育ローンの繰り上げ返済にあてると、教育ローンの返済月額は1万円ほどになり、当初約6年間は3万3,000円程度が見込まれる。
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D私立大学 文科系学部=ひとり暮らし
◆4年間の納付金/413万円
・初年度納付金/122万円
・2年目以降の納付金/年97万円
◆ひとり暮らしの準備金/25万円 ◆修学・生活費/年125万円(4年間で500万円)
4年間の見込み費用は938万円。国立・ひとり暮らしのように修学・生活費を年ベースで8万円節約するとしても、906万円となる。ここから、教育ローンに頼らざるを得ない初年度納付金120万円を除いた786万円を、奨学金+アルバイトで賄わなければならない。月4万円のアルバイト計192万円を引いた594万円、1年間で148万5,000円が奨学金の必要額ということになるが、日本学生支援機構の奨学金限度額は年間144万円(月額12万円)である。
教育ローン120万円、奨学金月12万円の返済シミュレーションは以下の通りだ。
・教育ローンの返済月額:1万8,045円(在学中は月2,650円の利子返済)
・奨学金返済月額:3万2,297円(20年)
・合計返済月額/当初約6年間:5万342円、7年〜20年:3万2,297円
新卒者の給与で5万円を上回るローン返済は不可能に近い。そもそも、在学中の費用も満たされていない。文科系を上回る納入金が求められる他学部はシミュレートするまでもないだろう。
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●自立進学はどこまで可能か
以上、@自宅から国立大学に通うAひとり暮らしで国立大学に通うB自宅から私立大学文科系に通うC自宅から私立大学理工学部に通うDひとり暮らしで私立大学文科系に通う、の5パターンについて、教育ローンと返済型奨学金を活用した自立進学をシミュレーションしてきた。
結論からいうと、親がかりでない自立進学は、@の「国立・自宅」で可能。Bの「私立(文科系)・自宅」がボーダーライン。卒業後の返済額が4万円を超えるA「国立・ひとり暮らし」とC「私立(理工学部)・自宅」はかなり厳しいのが現実で、C「私立・ひとり暮らし」にいたっては、奨学金の上限額(月12万円)と通常のアルバイト収入では、そもそも足りないことがわかった。
もちろん、Part.2ーBで見たような、給付を前提とする大学独自の支援制度を利用することで実現する自立進学もあるだろう。しかし、大学独自の奨学金の多くは、入学したあとでないと給付の可否が判然としないため、自立進学のあてにはできない。2009年度から早稲田大がはじめたような、入学前に予約できる奨学金の普及が待たれる。東京大が2008年度から導入した、家庭所得によって納付金を減免する措置の普及は、高等教育の機会均等の意味からも、特に国公立大学に期待したい措置だ。
また、たとえば、授業料等の納付を卒業まで猶予する、納付金の後払い制度を導入する大学があってもいいのではないだろうか。
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