コミュニケーションを促進する
アニメーションキャラクター
会話エージェントは、カタチを持たないプログラムだけの場合もあるが、中野先生はアニメーションキャラクターにすることを重視している。
「人間とコンピュータとの対話は、音声だけでも可能ですが、アニメーションキャラクターを使うことで、コミュニケーションがより正確でスムーズになることが期待できるのです。
人間とコンピュータのインタラクションにはいくつかの段階があります。まず、キーボードから入力するテキストベースでのやりとりがあり、これは人間同士だと電子メールやチャットに相当します。次に、音声認識や音声合成による音声対応システムがあり、これは人間同士だと電話での会話といえるでしょう。そして、私たちがめざしているのが、人間とアニメーションキャラクターの会話で、これは人間同士の対面会話と同様のものです。
アニメーションキャラクターを使うメリットの1つに直感性があります。アニメーションキャラクターとの会話は、人間同士の会話と同じ感覚で進めることができるので、話がわかりやすくなります。
それから、コミュニケーションとしての頑健性があります。アニメーションキャラクターは、言葉に表情や身振りなどが加わり、コミュニケーションのモダリティ(様式)が多くなるので、話の意味をより正確に理解することができるのです」
中野先生によると、アニメーションキャラクターを使った会話エージェントの研究は、まだ新しい分野だ。2000年前後にコンピュータグラフィックスの技術が格段に向上したことが大きな要因になって、研究が加速するようになった。いまでは、リアルなアニメーションキャラクターを比較的手軽につくって研究に活用することができるそうだ。
最近の具体的な研究例としては、「操作説明のためのヘルプエージェント」「ユーザーの態度に気づく会話エージェント」「異文化コミュニケーションを支援する会話エージェント」「没入型環境におけるガイドエージェント」などがある。それぞれどのようなものなのか、具体的な内容を教えていただくことにしよう。
《つづく》
(次回は「アニメーションキャラクターを使った会話エージェントの具体的な研究内容について」です。)