体型特徴の分析をベースに
身体にフィットする衣服を追求
被服構成学の研究内容は多岐にわたっているが、大塚先生はそうした研究全体を通じて何をめざしているのか伺ってみた。
「研究を通してめざしているのは、着る人の身体にフィットする衣服をデザインし、提供していくことです。
身体にフィットするということは、着ているときの快適性につながります。身体に合わないものを着ていると、どこかにシワが寄ったり動作がしにくくなったりしますからね。そして、身体に合っている衣服は、太った人であろうと痩せた人であろうと見た目も美しいのです。
そうした快適な衣服づくりは、日本人の体型特徴を踏まえていないと実現できないので、研究室ではデータや実験によって体型特徴を明らかにしていくことにも取組んでいます。
また、体型特徴を基にして、快適できれいな衣服を提供していくためのボディ(衣服の設計製作の元型。後述)をつくるノウハウを蓄積することも重視しています。
そのボディには『ゆとり量』を入れることが重要なポイントの一つになります。ゆとり量というのは、衣服の着脱や着ているときの動作のために必要なサイズのことです。身体の外側で身体と相似形になるようなゆとり量が理想で、必要なところに必要なだけゆとり量を入れることができればいいのですが、実際には上下方向や水平方向のバランスなど難しい問題が多いのです。
このほかにも機能的な素材の活かし方なども考えなければいけません。そうしたことすべてを含めて、身体にフィットする衣服を提供していきたいのです。これは、若い女性など特定の人を対象にしたことではありません。赤ちゃんから高齢者に至るまで、それぞれのライフステージにおいて、快適できれいに着ることができる衣服を提供することが私の研究の使命だと思っています」
《つづく》
(次回は「高齢者ボディの開発について」です。)