ドリコムアイ.net…高校生の進路と教育を考えるWebマガジン
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第14回 Part.1

2010-01-18UP

体型分析を基に快適な衣服づくりを追求(1)


日本女子大学 家政学部被服学科
大塚 美智子研究室

第17回
ウェアラブル技術で健康危機管理を実現
《東京理科大学 総合研究機構 危機管理・安全科学技術研究部門 板生清研究室》
Part.1

Part.2
Part.3
Part.4

第16回
「はやぶさ」が太陽系大航海時代の扉を開く
《宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所/月・惑星探査プログラムグループ》
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Part.3
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第15回
風力など新エネルギー導入促進の技術を探る
《工学院大学 工学部電気システム工学科 荒井純一研究室》
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第14回
体型分析を基に快適な衣服づくりを追求
《日本女子大学 家政学部被服学科 大塚美智子研究室》
Part.1

Part.2
Part.3
Part.4

第13回
時代に適した経済や金融のあり方を探る
《慶應義塾大学 経済学部 池尾和人研究室》
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Part.4

第12回
対話型コンピュータの実現をめざす
《成蹊大学 理工学部情報科学科 中野有紀子研究室》
Part.1

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第11回
スポーツビジネスのあり方を科学的に考察
《早稲田大学 スポーツ科学学術院 原田宗彦研究室》
Part.1

Part.2
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Part.4
Part.5

第10回
ヒートアイランドや都市型強雨の実態を解明
《首都大学東京大学院 都市環境科学研究科  高橋日出男気候学研究室》
Part.1

Part.2
Part.3
Part.4


『新・研究室はオモシロイ』(全16回)
雑誌「ドリコムアイ」に掲載された記事をPDFファイルでご覧いただけます。

 衣服は、人間にとって最も身近で生活に欠かせないものだ。その衣服を選ぶとき、まずカタチや色をポイントにすることが多いが、実際に着るうえでは身体へのフィット感を含めて快適性が重要になってくる。

 では、衣服にかかわる学問として長い歴史を持つ被服学の分野では、衣服の快適性を実現するために、どのような研究が行われているのだろうか?

 今回は、乳幼児から高齢者までを対象に快適な衣服づくりの研究に取り組んでいる日本女子大学家政学部被服学科の大塚美智子先生の研究室を訪ねてみた。

科学的に衣服づくりを考察する
被服構成学


 大塚先生の専門は被服構成学だが、そもそも被服構成学とはどのような学問なのか、そこから教えていただくことにしよう。

 「被服構成学は、被服学のさまざまな学問ジャンルの一つです。ファッション・アパレル業界を川にたとえると、被服学はその川上から川下までのすべてをカバーしています。川上には衣服の素材、染色、洗浄などテキスタイル科学の分野があり、川中にはアパレルのデザインから生産、衣服内環境など造形・環境の分野、川下には流通、消費科学、マーケティングなどの流通消費の分野があり、すべての分野の文化的背景となる服装の歴史、色彩などの美学の分野があります。その中で被服構成学は、川中にあたる分野で衣服のデザインや製作などを研究する学問なのです」

 被服構成学は、直接的に衣服づくりにかかわる学問といえるが、その内容は深く、研究領域もデザインや製作にとどまらず幅広いものになるそうだ。

 「被服構成学は、たんにきれいな衣服をつくることが目的ではなく、人間工学を踏まえて人間の身体に合った衣服をつくることをめざしています。そのため、人体の構造を解剖学的なところまで掘り下げて学びます。どこにどういう筋肉や骨があり、どのように動くのかを理解したうえで、人体の構造や動きに合った衣服を考えていくのです。実際のデザインにおいては、ファッションとしての審美性なども追求していきます。

 できあがった衣服の着心地や、衣服を着ることで人体にどのような影響があるのかを人体生理学の見地から探っていくことも重要なテーマです。さらに、色彩や川上にあたる素材などや川下にあたる消費科学などまで研究対象になっています」


▲大塚 美智子 教授

体型特徴の分析をベースに
身体にフィットする衣服を追求


 被服構成学の研究内容は多岐にわたっているが、大塚先生はそうした研究全体を通じて何をめざしているのか伺ってみた。

 「研究を通してめざしているのは、着る人の身体にフィットする衣服をデザインし、提供していくことです。

 身体にフィットするということは、着ているときの快適性につながります。身体に合わないものを着ていると、どこかにシワが寄ったり動作がしにくくなったりしますからね。そして、身体に合っている衣服は、太った人であろうと痩せた人であろうと見た目も美しいのです。

 そうした快適な衣服づくりは、日本人の体型特徴を踏まえていないと実現できないので、研究室ではデータや実験によって体型特徴を明らかにしていくことにも取組んでいます。

 また、体型特徴を基にして、快適できれいな衣服を提供していくためのボディ(衣服の設計製作の元型。後述)をつくるノウハウを蓄積することも重視しています。

 そのボディには『ゆとり量』を入れることが重要なポイントの一つになります。ゆとり量というのは、衣服の着脱や着ているときの動作のために必要なサイズのことです。身体の外側で身体と相似形になるようなゆとり量が理想で、必要なところに必要なだけゆとり量を入れることができればいいのですが、実際には上下方向や水平方向のバランスなど難しい問題が多いのです。

 このほかにも機能的な素材の活かし方なども考えなければいけません。そうしたことすべてを含めて、身体にフィットする衣服を提供していきたいのです。これは、若い女性など特定の人を対象にしたことではありません。赤ちゃんから高齢者に至るまで、それぞれのライフステージにおいて、快適できれいに着ることができる衣服を提供することが私の研究の使命だと思っています」


《つづく》
(次回は「高齢者ボディの開発について」です。)



■日本女子大学 家政学部
http://www.jwu.ac.jp/unv/home_economics.html