健康状態を判断するための
データベースづくりを準備
健康危機管理システムの実用化に向けて運用面での実験や準備も進められている。
「生体センサーを活用した健康危機管理システムを構築していくためには、運用などソフト面の実証も必要です。そこで、千葉県のNPOに協力していただいて、医師が少ない地域でモニターとして約50名の高齢者の方にセンサーをつけて生活していただき、センシングやデータ収集の実証実験に取り組みました。この実証実験は今年2月から開始して7月に終わったので、その結果を分析しながら次のステップに入っていくことになります」
システムの実用化に向けた運用面の改善点などは、これから検証していくことになるが、システムを運用する前提として、センサーを使い続けてもらう動機づけが重要なポイントになることがわかった。
「何事もそうですが、最初は関心があって始めても、それをずっと継続するのは難しいものです。センサーをつけて生活するのも同じで、次第に面倒に感じるようになることもあります。
それでも使い続けてもらうには、自分の健康管理のためになるということが具体的なかたちでわかるようにしていくことが重要です。たとえば、センサーの測定結果を基にして、あなたの健康状態はいまこうなっていますという情報を随時提供したり、病気の兆候かもしれないときにはそれを伝えていくようにすれば、健康危機管理システムの必要性を認識してもらえるのではないでしょうか。
ただ、そうしたことは医者でさえ判断が難しい場合もあり、センサーの測定結果だけで健康状態を的確に判定することは簡単ではありません。それを可能にするには、たくさんの測定データを集めて、健康状態との関係を詳しく分析することが必要になります。
そのため、そうしたデータを集めるのがこれからの課題の1つになっています。それも、できれば高齢者の集団、主婦の集団、セールスマンの集団、研究者の集団というように、その人が属している集団ごとにデータを集め、集団ごとの健康状態の特性もわかるようなデータベースをつくりたいと考えています」
板生先生は、このデータベースづくりについて、大学とWINが共同で進めていくことを検討している。
《つづく》
(次回は最終回、熱中症の危機を回避するネッククーラーの実現についてです。)