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個人カードの作成やYESプログラムなど
各高校の実情に合わせた多様な取組みを展開
このほか、三原東高等学校では校内LANとパソコンの活用による生徒の個人カードを作成。さまざまな教科の先生がその生徒の記録を書き込むことで、先生方が情報を共有。生徒の多面的評価と指導につなげています。例えば、入学時から生徒の意識が変化していることなどを知ることで、有効な進路指導につなげているようです。
廿日市西高等学校では、企業が若年者の就職に関して特に重視している「コミュニケーション能力」「職業人意識」「基礎学力」「ビジネスマナー」などを養成する「YESプログラム(厚生労働省創設)」を実施し、職業能力向上に活かしています。
不況の影響で就職内定率は10ポイント減
高等学校は独自のキャリア教育を模索
ところで、広島県の2010(平成22)年3月の国・公・私立高等学校の卒業予定者の就職内定状況ですが、11月30日の状況では就職希望者数3,260名のうち、就職内定者は2,264名で、就職内定率は69.4%でした。昨年同期は79.3%でしたから、約10ポイント下がっており、約3割の生徒は未定の状況です。
やはりリーマンショック以降の不況の影響はダイレクトに高校生の就職希望者の上にのしかかっていますね。高等学校でキャリア教育に力を入れて職業観を高めたところで、産業界が活性化しないとどうにもならない面もあります。また農・工・商の専門高校以上に、普通科高校や総合学科高校で厳しさが目立つ結果になっています。
専門高校では、先生方に就職指導の蓄積があること、企業側にも「あの高校からの生徒は例年受け入れているから安心」など、実績があることが大きいのです。それに対し普通科高校の場合は、そうした実績がないことに加えて生徒の職業意識・目的意識が希薄な面があり、先生方も苦労するところとなっています。
広島県では2007(平成19)年度から、県立の全中学校で1週間(実質5日間)のインターンシップを導入しています。そのため、高等学校で、単に会社見学程度のインターンシップで果たして効果があるのか、という問題があります。各高等学校では入学した生徒が中学校でどのような体験をしてきたのか十分に把握し、効果的なインターンシップを行う必要があると考えています。
また、専門高校では、専門教科と現場での実習がそのまま自分の将来につながりますが、普通科高校や総合学科高校では何かしら進路への仕掛けが必要であり、どの高等学校も知恵を絞っているところです。
例えば、大学卒業後に弁護士になりたいという生徒がいたとして、法律事務所でインターンシップができるかというと、簡単にはいきません。他の職業でも難しい面はあるでしょう。全国的に見ると職業インタビュー的な試みを行って成功している高等学校もあるようですが、そういう方向で模索していくのも一つの手でしょうね。
ちなみに県立広島中・高等学校は併設型中高一貫教育校ですが、ここでは生徒自らが電話でインターンシップ先を開拓し、主体的に経験を積んでいます。
今回のキャリア教育推進校5校は、今年度で3年間の取組みが終わって、成果や課題の報告がなされるので、それを見て、県としてもまた新たな取組みを考えていきたいと思います。
「わたしのキャリアノート」を導入
小・中・高等学校が連携し、
長い目で生徒の進路を支援
最後に、広島県としてはキャリア教育を未来につなげるため、2008年度から「わたしのキャリアノート」を採用しています。これは小・中・高等学校の各学年における夢のスケッチブックといえるもので、キャリア教育の実施の度に生徒自らワークシートなどを作成するものです。
学習内容の記載例としては、小学校では、「周りの人の仕事」とか「自分のイメージマップ」「中学校を知ろう」「10年後の自分」など、中学校では、「プロから学ぼう マナー講座」「職場体験5日間の記録」「進路について」など、高等学校では、「自分のライフプランを立てる」「企業とその仕事を知る」「進学について」「就職について」「自分をプレゼンテーションする」などがあります。その児童・生徒が作成したものをつづり、小学校から中学校、高等学校と持ち上がらせるようにしているのです。
これにより生徒のキャリアへの意識がどう変わって、どういう進路を取ればいいのか、小・中・高等学校が連携してどの時点でも各教員が進学や進路をアドバイスするための資料となるでしょう。また、基本は学校が管理しますが、保護者の方にご覧いただき、家庭でも働くことの大切さをお子さんと話し合うきっかけにしてほしいと考えています。
今後も県としては、地域や家庭を巻き込みながら小・中・高等学校の連携を図って、長い目で生徒のキャリアを支援していきたいと思います。
■広島県教育委員会
http://www.pref.hiroshima.lg.jp/kyouiku/hotline/
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