ドリコムアイ.net…高校生の進路と教育を考えるWebマガジン
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26-2

2008-10-20UP

インターンシップへの期待(2)


工藤 啓

30-2 〜 21-1

30 働き方を模索する
30-1 働き方を模索する(1)
30-2 働き方を模索する(2)

29 原体験を見る
29-1 原体験を見る(1)
29-2 原体験を見る(2)

28 高校が抱える進路指導課題
28-1 高校が抱える進路指導課題(1)
28-2 高校が抱える進路指導課題(2)

27 学校を辞めるということ
27-1 学校を辞めるということ(1)
27-2 学校を辞めるということ(2)

26 インターンシップへの期待
26-1 インターンシップへの期待(1)
26-2 インターンシップへの期待(2)

25 キーワード
25-1 キーワード(1)
25-2 キーワード(2)

24 大人社会を読む
24-1 大人社会を読む(1)
24-2 大人社会を読む(2)

23 働き始めた若者
23-1 働き始めた若者(1)
23-2 働き始めた若者(2)

22 日韓にみるワカモノの実情
22-1 日韓にみるワカモノの実情(1)
22-2 日韓にみるワカモノの実情(2)

21 大切なのはポジショニング
21-1 大切なのはポジショニング(1)
21-2 大切なのはポジショニング(2)




 インターンシップを通じて「自分を知る」ことに期待を持つ学生もいます。就職活動の本格的始動を目前に控え、どのような職業、どのような企業を選択すべきか、非常に悩むところなのだと思います。終身雇用制度の崩壊と叫ばれながらも、転職によるキャリアアップがきっちりと構築されている社会ではないので、最初の就職は一大イベントであるのは当然のことかもしれません。

 内定を複数獲得した学生Sさんは「本当にこれでよいのか」と悩んだ末に、“就職浪人”を選びました。利益の最大化を目指す企業での活動と自らの想いである「広く社会の役に立つ」ことが結びつかなかったといいます。たまたまインターネットで私のインタビュー記事を見て、すぐに電話をくれたのがインターンシップのきっかけでした。

 Sさんがインターンシップに期待するものは「広く社会の役に立つ」という漠然としたものだったため、最初は“広く社会とかかわってみる”ことから始めました。近隣農家への援農、独居老人宅に出向いての布団乾燥など、とにかく地域社会を知るために数ヶ月を費やしました。次に、私と一緒に中央省庁の委員会に出席してみたり、行政関係者とのミーティングに同席したりと、幅広く社会とかかわってみたのです。

 しばらくすると、Sさんは「社会のために活動しているひとをバックアップする仕組みを作る必要があるのではないか」という問題意識を持ち始めました。次第に自らの方向性が見え始めてきたのでしょう。企業人としての利益の最大化よりも、社会利益の最大化を考えるようになりました。

 いま、Sさんは某省庁で「社会利益の最大化」と「社会のために活動しているひとを支える」ために奮闘しています。時折、多忙なスケジュールの合間を縫って、立川の事務所に足を運んでくれます。1年足らずのインターンシップで「自分を知る」ことができたのかどうかは聞いていませんが、少なくとも、「広く社会の役に立つ」というSさんの足は、目標に向けて歩みを進めています。



工藤 啓
くどう けい

特定非営利活動法人「育て上げ」ネット理事長。1977年6月2日東京生まれ。大学中退後渡米。帰国後、ひきこもり、ニート、フリーター等の就労支援団体「育て上げ」ネット設立。2004年5月NPO法人化、現在に至る。

2005年…内閣府「若者の包括的な自立支援方策に関する検討会」委員/厚生労働省「キャリア・コンサルティング導入・展開事例検討委員会」委員/文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員/埼玉県「ニート対策検討委員会」委員/福島県「若者としごと」研究会アドバイザー/立川市教育委員会立川市学校評議員
著書「ニート支援マニュアル」(PHP研究所)