ドリコムアイ.net…高校生の進路と教育を考えるWebマガジン
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31-1

2009-05-11UP

若者の不安とひとのつながり(1)


工藤 啓

53 同じ10代でも差異がある
53-1 〜将来のことは…何とかなります〜
53-2 〜社会をよくするために生きていきたい〜
52 非日常下の成長
52-1 〜漁船にて海上に出る〜
52-2 〜無人島に踏み出す〜
51 被災地貢献のカタチ
51-1 〜現地に行けない若者たち〜
51-2 〜東京から被災地を支援する〜

50 地域に若者の居場所はない
50-1 〜不審者と思われる日常〜
50-2 〜図書館を子ども・若者の居場所に〜
49 人前で話をするのが苦手
49-1 〜他者に迷惑をかけない〜
49-2 〜客観的な“できている”で変わる〜
48 セーフティーネットとしての高校
48-1 〜給食が唯一の栄養源〜
48-2 〜学力やキャリア支援だけではなく〜
47 地震のとき若者は
47-1 〜情報を届ける〜
47-2 〜情報を拡散する〜
46 再学プログラム
46-1 学び直し機会を創る(1)
46-2 学び直し機会を創る(2)

45 卒後生活への不安
45-1 〜故郷への愛情と東京への期待〜
45-2 〜未内定より不安なこと〜
44 学び直しの取り組み
44-1 〜学び直しのニーズ〜
44-2 〜学び直せる環境作り〜
43 未来を志す
43-1 〜目的ある進路決定〜
43-2 〜行動してから考える〜
42 自分と仕事の関係性
42-1 〜自分の仕事の捉え方〜
42-2 〜3つの「ワーク」〜
41 社会人になりたい
41-1 〜社会人と会社人〜
41-2 〜社会の一員になるには〜

40 自己肯定感の喪失
40-1 〜社会の役に立ちたい〜
40-2 〜自分は人から必要とされていない〜
39 若者はコミュニケーション力がないのか
39-1 若者はコミュニケーション力がないのか(1)
39-2 若者はコミュニケーション力がないのか(2)
38 大学生の就職不安
38-1 大学生の就職不安(1)
38-2 大学生の就職不安(2)
37 価値観は“ソーシャル”へ
37-1 価値観は“ソーシャル”へ(1)
37-2 価値観は“ソーシャル”へ(2)
36 仕事につながるナナメの関係
36-1 仕事につながるナナメの関係(1)
36-2 仕事につながるナナメの関係(2)

35 「働く」が難しい
35-1 「働く」が難しい(1)
35-2 「働く」が難しい(2)
34 就活スーツについて
34-1 就活スーツについて(1)
34-2 就活スーツについて(2)
33 地域の力で自己成長
33-1 地域の力で自己成長(1)
33-2 地域の力で自己成長(2)
32 中学4年生
32-1 中学4年生(1)
32-2 中学4年生(2)
31 若者の不安とひとのつながり
31-1 若者の不安とひとのつながり(1)
31-2 若者の不安とひとのつながり(2)




 先日、タレントの安田美沙子さんとお話をさせていただきました。普段、あまりテレビを見ない私ですら知っている有名なタレントさんです。最近では東京マラソンを完走されたことも話題になりました。

 「自立」をテーマにしたイベントだったのですが、会場には多くの若者の姿を見ることができました。最初は、「安田美沙子さんを見に来たファンの方々だろう」と思っていたのですが、どうも雰囲気が違います。会場質問の際、若者から積極的に手が挙がり、彼ら/彼女らの質問を聞くと、ただのファンでないことがわかりました。

 「就職活動中なのですが、自分のやりたいことがわかりません」
 「自分の決断に自信が持てません」
 「不安なとき、どのようにそれを克服しているのでしょうか」

 いまの自分が選んだ道は将来につながっている。しかし、その道がどのような将来につながっているのかわからない。不安である、というのです。一方、テレビや雑誌で活躍される安田さんも、過去に抱えた不安(芸能界でやっていけるのだろうか……など)を吐露しつつも、将来に対しまったく不安がないということはないとおっしゃっていました。

 それを横で聞いていて、「いまどのような状況であっても、若者は将来に漠然とした不安を抱えながら、それでも前に進もうとしている」と感じました。多かれ少なかれ、誰でも不安を抱えています。しかし、誰もがそれを乗り越えて決断する力を持っています。では、その際に必要なものは何なのでしょうか。

 会場の質問に答えるにあたり、私は「ひとのつながり」が大切であると伝えました。不安を少しでも解消するために相談できるひととつながっているか。自分の決断に対して背中を押してくれるひととつながっているか。悩んだり、前に進むことを躊躇したりしたときに支えてくれるひととつながっているか。

 そのつながりは、友達が何人いるのか。携帯電話のメモリーがどれほど埋まっているのか。そのようなことでは決してありません。自分のことを理解してくれたうえで、弱音を傍で聞いてくれたり、時には叱咤激励をしてくれたりするひとの存在です。

 不安は誰でもが抱えるものですが、それを克服するためにはどれだけ“ひととつながっているのか”が重要だと思います。



工藤 啓
くどう けい

特定非営利活動法人「育て上げ」ネット理事長。1977年6月2日東京生まれ。大学中退後渡米。帰国後、ひきこもり、ニート、フリーター等の就労支援団体「育て上げ」ネット設立。2004年5月NPO法人化、現在に至る。

2005年…内閣府「若者の包括的な自立支援方策に関する検討会」委員/厚生労働省「キャリア・コンサルティング導入・展開事例検討委員会」委員/文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員/埼玉県「ニート対策検討委員会」委員/福島県「若者としごと」研究会アドバイザー/立川市教育委員会立川市学校評議員
著書「ニート支援マニュアル」(PHP研究所)