ドリコムアイ.net…高校生の進路と教育を考えるWebマガジン
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32-2

2009-06-29UP

中学4年生(2)


工藤 啓

53 同じ10代でも差異がある
53-1 〜将来のことは…何とかなります〜
52 非日常下の成長
52-1 〜漁船にて海上に出る〜
52-2 〜無人島に踏み出す〜
51 被災地貢献のカタチ
51-1 〜現地に行けない若者たち〜
51-2 〜東京から被災地を支援する〜

50 地域に若者の居場所はない
50-1 〜不審者と思われる日常〜
50-2 〜図書館を子ども・若者の居場所に〜
49 人前で話をするのが苦手
49-1 〜他者に迷惑をかけない〜
49-2 〜客観的な“できている”で変わる〜
48 セーフティーネットとしての高校
48-1 〜給食が唯一の栄養源〜
48-2 〜学力やキャリア支援だけではなく〜
47 地震のとき若者は
47-1 〜情報を届ける〜
47-2 〜情報を拡散する〜
46 再学プログラム
46-1 学び直し機会を創る(1)
46-2 学び直し機会を創る(2)

45 卒後生活への不安
45-1 〜故郷への愛情と東京への期待〜
45-2 〜未内定より不安なこと〜
44 学び直しの取り組み
44-1 〜学び直しのニーズ〜
44-2 〜学び直せる環境作り〜
43 未来を志す
43-1 〜目的ある進路決定〜
43-2 〜行動してから考える〜
42 自分と仕事の関係性
42-1 〜自分の仕事の捉え方〜
42-2 〜3つの「ワーク」〜
41 社会人になりたい
41-1 〜社会人と会社人〜
41-2 〜社会の一員になるには〜

40 自己肯定感の喪失
40-1 〜社会の役に立ちたい〜
40-2 〜自分は人から必要とされていない〜
39 若者はコミュニケーション力がないのか
39-1 若者はコミュニケーション力がないのか(1)
39-2 若者はコミュニケーション力がないのか(2)
38 大学生の就職不安
38-1 大学生の就職不安(1)
38-2 大学生の就職不安(2)
37 価値観は“ソーシャル”へ
37-1 価値観は“ソーシャル”へ(1)
37-2 価値観は“ソーシャル”へ(2)
36 仕事につながるナナメの関係
36-1 仕事につながるナナメの関係(1)
36-2 仕事につながるナナメの関係(2)

35 「働く」が難しい
35-1 「働く」が難しい(1)
35-2 「働く」が難しい(2)
34 就活スーツについて
34-1 就活スーツについて(1)
34-2 就活スーツについて(2)
33 地域の力で自己成長
33-1 地域の力で自己成長(1)
33-2 地域の力で自己成長(2)
32 中学4年生
32-1 中学4年生(1)
32-2 中学4年生(2)
31 若者の不安とひとのつながり
31-1 若者の不安とひとのつながり(1)
31-2 若者の不安とひとのつながり(2)




 義務教育を終えて、高校への進学を果たした若者のなかに“中学4年生”がいます。それを感じるのは、高校進学の選択が“他立的”である場合です。ただ、自分自身を振り返れば、やはり、“他立的”であったと思います。加えて、「中学を卒業したら高校へ進学するものだ」と疑いなく考えてもいました。私も、しっかりと“中学4年生”を経験していたわけです。

 「なぜ高校に進学するのか」について、当時、明確な答えを持っていなかったと思います。しかし、「なぜその高校なのか」については理由がありました。中学の部活(サッカー部でした)の顧問と何度も相談し、自分の学力で入れる範囲のなかから自分が望み、かつ、顧問から見て、私に適しているだろう部活のある高校を選択したという理由です。

 “中学4年生”が“高校1年生”になるには何が必要なのでしょうか。私は二つあると思います。ひとつは、自分がその「場」にいることを説明できること。周囲が聞いたら「えっ」と思う説明でも、自分なりに腑に落ちていればよいと思います。もうひとつは、その「場」にいられるのは、多くの場合、自分だけのチカラでないことを理解していること。授業料は誰が払ってくれているのか。保護者からの授業料はもちろんですが、税金だって使われています。お金のことのみならず、先生や地域の方々も学校という「場」を支えてくださっているはずです。それが理解できれば、「みんなが行くから」とか、「親が行けといった」などという言葉が簡単には出てこないはずです。

 私は、“中学4年生”という現象は、大人の側にも責任があると言いました。それは大人の側が、彼ら/彼女らに対していろいろな「なぜ」「どうして」を質問することで、自分のいられる「場」への理解を促していないのではないかという疑問があるからです。質問されれば考えます。そのようなきっかけを皆で創り出す、そういう社会を創り出さなければならないのではないでしょうか。



工藤 啓
くどう けい

特定非営利活動法人「育て上げ」ネット理事長。1977年6月2日東京生まれ。大学中退後渡米。帰国後、ひきこもり、ニート、フリーター等の就労支援団体「育て上げ」ネット設立。2004年5月NPO法人化、現在に至る。

2005年…内閣府「若者の包括的な自立支援方策に関する検討会」委員/厚生労働省「キャリア・コンサルティング導入・展開事例検討委員会」委員/文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員/埼玉県「ニート対策検討委員会」委員/福島県「若者としごと」研究会アドバイザー/立川市教育委員会立川市学校評議員
著書「ニート支援マニュアル」(PHP研究所)