ドリコムアイ.net…高校生の進路と教育を考えるWebマガジン
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33-1

2009-07-21UP

地域の力で自己成長(1)


工藤 啓

53 同じ10代でも差異がある
53-1 〜将来のことは…何とかなります〜
53-2 〜社会をよくするために生きていきたい〜
52 非日常下の成長
52-1 〜漁船にて海上に出る〜
52-2 〜無人島に踏み出す〜
51 被災地貢献のカタチ
51-1 〜現地に行けない若者たち〜
51-2 〜東京から被災地を支援する〜

50 地域に若者の居場所はない
50-1 〜不審者と思われる日常〜
50-2 〜図書館を子ども・若者の居場所に〜
49 人前で話をするのが苦手
49-1 〜他者に迷惑をかけない〜
49-2 〜客観的な“できている”で変わる〜
48 セーフティーネットとしての高校
48-1 〜給食が唯一の栄養源〜
48-2 〜学力やキャリア支援だけではなく〜
47 地震のとき若者は
47-1 〜情報を届ける〜
47-2 〜情報を拡散する〜
46 再学プログラム
46-1 学び直し機会を創る(1)
46-2 学び直し機会を創る(2)

45 卒後生活への不安
45-1 〜故郷への愛情と東京への期待〜
45-2 〜未内定より不安なこと〜
44 学び直しの取り組み
44-1 〜学び直しのニーズ〜
44-2 〜学び直せる環境作り〜
43 未来を志す
43-1 〜目的ある進路決定〜
43-2 〜行動してから考える〜
42 自分と仕事の関係性
42-1 〜自分の仕事の捉え方〜
42-2 〜3つの「ワーク」〜
41 社会人になりたい
41-1 〜社会人と会社人〜
41-2 〜社会の一員になるには〜

40 自己肯定感の喪失
40-1 〜社会の役に立ちたい〜
40-2 〜自分は人から必要とされていない〜
39 若者はコミュニケーション力がないのか
39-1 若者はコミュニケーション力がないのか(1)
39-2 若者はコミュニケーション力がないのか(2)
38 大学生の就職不安
38-1 大学生の就職不安(1)
38-2 大学生の就職不安(2)
37 価値観は“ソーシャル”へ
37-1 価値観は“ソーシャル”へ(1)
37-2 価値観は“ソーシャル”へ(2)
36 仕事につながるナナメの関係
36-1 仕事につながるナナメの関係(1)
36-2 仕事につながるナナメの関係(2)

35 「働く」が難しい
35-1 「働く」が難しい(1)
35-2 「働く」が難しい(2)
34 就活スーツについて
34-1 就活スーツについて(1)
34-2 就活スーツについて(2)
33 地域の力で自己成長
33-1 地域の力で自己成長(1)
33-2 地域の力で自己成長(2)
32 中学4年生
32-1 中学4年生(1)
32-2 中学4年生(2)
31 若者の不安とひとのつながり
31-1 若者の不安とひとのつながり(1)
31-2 若者の不安とひとのつながり(2)




 最近の若者が求めるのは「自己成長」です。実際、多くの若者が「自己成長」したいと言います。具体的に何ができるようになりたいのか、どこを伸ばしたいのかというよりも、「自己成長」を期待して物事に取り組み、「自己成長」を実感したいというのが本音です。その際、自分自身で成長したのかどうかを評価するのは難しいですから、しっかりとフィードバックしてあげられるひとの存在も重要です。

 若者の地域離れが著しいという話はよく聞きます。地域の寄り合い、イベントなどに参加する若者がどんどん少なくなる、と地域のひとたちは嘆きます。その際には、「若者の意識が変わった」という声も出てきます。

 もしかしたら、地域活動が彼ら/彼女らの「自己成長」につながるとしたら、つなげるような仕掛けができれば、若者は地域に関わるのではないか。私はそう考えました。地域というのは不思議なもので、一度、密接に関われば愛着が湧きます。一方、最初のとっかかりをつくるのに膨大な労力を必要とします。

 昨年度、地元自治体と協働し、若者の力で地域の個別課題を解決するプログラムを実施しました。チラシとネットで人材募集したところ、大学生、フリーター、無業の若者などが手を挙げ、延べ649名が地域課題の克服に汗と知恵を出し合いました。

 正直、参加者ゼロという笑えない結果も覚悟していましたが、ふたを開けてみればたくさんの若者からエントリーがありました。高校生もいました。なぜ参加しようと思ったのか。地域から離れる世代が戻ってきた理由は何か。答えはとても単純で、「地域が好き」「街づくりに関わってみたかった」「楽しそう」というもので、やはり、自己の成長を求める若者もいました。

 私が感じたのは、「なんだ、みんなしっかり地域に関心を持っているじゃないか」というものです。地域に対する若者の意識が大きく変わったなどということはなく、地域や大人が、若者と地域の関わりをつくれていないという地域課題が明確になった事業でした。



工藤 啓
くどう けい

特定非営利活動法人「育て上げ」ネット理事長。1977年6月2日東京生まれ。大学中退後渡米。帰国後、ひきこもり、ニート、フリーター等の就労支援団体「育て上げ」ネット設立。2004年5月NPO法人化、現在に至る。

2005年…内閣府「若者の包括的な自立支援方策に関する検討会」委員/厚生労働省「キャリア・コンサルティング導入・展開事例検討委員会」委員/文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員/埼玉県「ニート対策検討委員会」委員/福島県「若者としごと」研究会アドバイザー/立川市教育委員会立川市学校評議員
著書「ニート支援マニュアル」(PHP研究所)