ドリコムアイ.net…高校生の進路と教育を考えるWebマガジン
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36-1

2009-12-07UP

仕事につながるナナメの関係(1)


工藤 啓

53 同じ10代でも差異がある
53-1 〜将来のことは…何とかなります〜
53-2 〜社会をよくするために生きていきたい〜
52 非日常下の成長
52-1 〜漁船にて海上に出る〜
52-2 〜無人島に踏み出す〜
51 被災地貢献のカタチ
51-1 〜現地に行けない若者たち〜
51-2 〜東京から被災地を支援する〜

50 地域に若者の居場所はない
50-1 〜不審者と思われる日常〜
50-2 〜図書館を子ども・若者の居場所に〜
49 人前で話をするのが苦手
49-1 〜他者に迷惑をかけない〜
49-2 〜客観的な“できている”で変わる〜
48 セーフティーネットとしての高校
48-1 〜給食が唯一の栄養源〜
48-2 〜学力やキャリア支援だけではなく〜
47 地震のとき若者は
47-1 〜情報を届ける〜
47-2 〜情報を拡散する〜
46 再学プログラム
46-1 学び直し機会を創る(1)
46-2 学び直し機会を創る(2)

45 卒後生活への不安
45-1 〜故郷への愛情と東京への期待〜
45-2 〜未内定より不安なこと〜
44 学び直しの取り組み
44-1 〜学び直しのニーズ〜
44-2 〜学び直せる環境作り〜
43 未来を志す
43-1 〜目的ある進路決定〜
43-2 〜行動してから考える〜
42 自分と仕事の関係性
42-1 〜自分の仕事の捉え方〜
42-2 〜3つの「ワーク」〜
41 社会人になりたい
41-1 〜社会人と会社人〜
41-2 〜社会の一員になるには〜

40 自己肯定感の喪失
40-1 〜社会の役に立ちたい〜
40-2 〜自分は人から必要とされていない〜
39 若者はコミュニケーション力がないのか
39-1 若者はコミュニケーション力がないのか(1)
39-2 若者はコミュニケーション力がないのか(2)
38 大学生の就職不安
38-1 大学生の就職不安(1)
38-2 大学生の就職不安(2)
37 価値観は“ソーシャル”へ
37-1 価値観は“ソーシャル”へ(1)
37-2 価値観は“ソーシャル”へ(2)
36 仕事につながるナナメの関係
36-1 仕事につながるナナメの関係(1)
36-2 仕事につながるナナメの関係(2)

35 「働く」が難しい
35-1 「働く」が難しい(1)
35-2 「働く」が難しい(2)
34 就活スーツについて
34-1 就活スーツについて(1)
34-2 就活スーツについて(2)
33 地域の力で自己成長
33-1 地域の力で自己成長(1)
33-2 地域の力で自己成長(2)
32 中学4年生
32-1 中学4年生(1)
32-2 中学4年生(2)
31 若者の不安とひとのつながり
31-1 若者の不安とひとのつながり(1)
31-2 若者の不安とひとのつながり(2)



 先日、厚生労働省が平成22年3月の高校・中学新卒者の求人・求職・就職内定状況を発表しました。高校生の就職内定率が37.6%という低い数値が日本社会を駆け巡りました。進路指導の先生も、就職希望の高校生も驚いたのではないかと思います。

 37.6%という数字は、就職を希望する高校生100人の内、3人に2人が卒業後の仕事が決まっていないというものですが、あくまでも全国平均です。厳しい経済環境にある地域では、就職希望の高校生に対して仕事を出すどころではありません。就職内定率が37.6%どころか、10%、20%という地域があってもおかしくありません。

 雇用情勢が大変厳しい地域の高校で講演をさせていただいたとき、地元のロータリークラブの方々が多数参加され、講演後には生徒とのトークセッションが準備されていました。非常に経験豊かで、地域企業とのつながりが強い方々です。私は、「就職環境はとても厳しい状況なので、今日のようなチャンスを逃すのはもったいない。是非、ロータリークラブのみなさまと“つながり”をつくってください」と繰り返し講演のなかで話しました。

 一般的に、企業の求人案件はハローワークに集約されます。もちろん、Webサイトで掲載されることもありますが、まずは何と言ってもハローワークです。しかし、そこに求人が集まらないわけですから、就職希望の生徒は懸命に可能性を探さなければなりません。ロータリークラブの方々が、地元の埋もれた求人情報を持っているかもしれないのですから。

 トークセッションへの参加は任意だったようですが、20名を超える生徒が参加しました。つながりをつくりましょう、と言ってもどうしたらよいのかわからないようでしたので、「とにかく名刺をいただこう」と声かけをしました。当然ですが、名刺をもらっただけで仕事が得られるわけではありません。しかし、ただただハローワークに求人が出るのを待っているのに比べたら、就職への可能性は高まったはずです。また、可能性を高める方法をひとつ知ることができたわけです。

 現在のようなご時世、たまたま就職時期が重なってしまった若者にはつらい状況です。それでも、できることは何でもやる。保護者でも、先生でも、友達でもない、ナナメのつながりが仕事に就く可能性を高めるのだと思います。



工藤 啓
くどう けい

特定非営利活動法人「育て上げ」ネット理事長。1977年6月2日東京生まれ。大学中退後渡米。帰国後、ひきこもり、ニート、フリーター等の就労支援団体「育て上げ」ネット設立。2004年5月NPO法人化、現在に至る。

2005年…内閣府「若者の包括的な自立支援方策に関する検討会」委員/厚生労働省「キャリア・コンサルティング導入・展開事例検討委員会」委員/文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員/埼玉県「ニート対策検討委員会」委員/福島県「若者としごと」研究会アドバイザー/立川市教育委員会立川市学校評議員
著書「ニート支援マニュアル」(PHP研究所)