ドリコムアイ.net…高校生の進路と教育を考えるWebマガジン
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第41回

2008-07-22UP

子どものころ、世話になった大人(前編)


久田 邦明

「生涯学習と地域のリーダー」
第83回 前編 / 第84回 後編
「情報の受け手の問題」

第81回 前編 / 第82回 後編
「カフェ・バッハのこと」
第79回 前編 / 第80回 後編
「青年団が教えてくれること」

第77回 前編 / 第78回 後編

「就活こそ若者の生涯学習」

第75回 前編 / 第76回 後編
「もう一つの社会について学ぶ」

第73回 前編 / 第74回 後編
「ホワイトキャンバスの10年」

第71回 前編 / 第72回 後編

「地域社会は再生する」

第69回 前編 / 第70回 後編
「講義について考えた」

第67回 前編 / 第68回 後編
「大学をユースセンターへ」

第65回 前編 / 第66回 後編

「コミュニティビジネスの希望」

第63回 前編 / 第64回 後編
「青少年施策を考える」

第61回 前編 / 第62回 後編
「大学生はコンビニで高齢者と出会う」

第59回 前編 / 第60回 後編

「ピアサポート委員会の活動」

第57回 前編 / 第58回 後編
「子どもがいる暮らしの支援」

第55回 前編 / 第56回 後編
「若者の地元志向」

第53回 前編 / 第54回 後編

「高校生世代という捉え方」

第51回 前編 / 第52回 後編
「地域で子どもを育てるスポーツ少年団」

第49回 前編 / 第50回 後編
「子どもの貧困」

第47回 前編 / 第48回 後編

「地域の声は、届かない」

第45回 前編 / 第46回 後編
「大学は難しい」

第43回 前編 / 第44回 後編
「子どものころ、世話になった大人」

第41回 前編 / 第42回 後編

 子どものころ世話になった大人について学生にレポートを書いてもらった。予想以上に多彩な事例が紹介されたので今年は複数の大学でおこなうことにした。学校教育モデルの教育ではない“教育”を考えるために、子どもころ世話になった大人はヒントになるだろう。

 とりわけ印象に残ったのは、小学生のころ通った近所の駄菓子屋のおばあさんの話だ。彼は、そのおばあさんを相手に、学校の先生にも話せない悩みを相談するなどして、幸せな気持ちになったという。その子の成長にとって必要不可欠なところだったことが想像される。

 スポーツ少年団の監督やコーチは、このおばあさんとは別のやり方で子どものおもいに応えているようだ。ある男子学生は、退団後も監督とのつきあいが続いて、一緒に酒を飲むようになったという。

 小さな子どもの姿が目に浮かぶような話もある。引っ越してきたばかりのところで、家のカギを失くして途方にくれていたとき、近所の自治会役員のおばさんが声をかけて自宅に招いてくれたという。心細いときに助けてくれたこのおばさんは、彼女にとって忘れられない大人のリストに加えられたわけだ。

 絵本になりそうな話もある。集合住宅の2階に住むそのおばさんは、おもてで子どもたちが遊んでいると、カゴにお菓子を入れてベランダから紐で降ろしてくれたという。愉快な人だったんだなあと思う。

 もう一つは、二人のおばあさんの駄菓子屋の話。一人は優しい笑顔のおばあさん。もう一人はいつも店の奥にいる、無愛想なおばあさん。ある日のこと、近くの公園で友だちがブランコから落ちて大けがをした。すると、無愛想なおばあさんがすっ飛んできて応急処置をして、その子の家へも知らせてくれた。それ以来、そのおばあさんを見る目が変わったそうだ。



久田 邦明
ひさだ くにあき

首都圏の複数の大学で講義を担当している。専門は青少年教育・地域文化論。この数年、全国各地を訪ねて地域活動の担い手に話を聞く。急速にすすむ市場化によって地域社会は大きく変貌している。しかし、生活共同体としての地域社会の記憶は、意外にしぶとく生き残っている。それを糸口に、復古主義とは異なる方向で、近未来社会の展望を探り出すことが可能ではないかと考えている。このコラムでは、子どもから高齢者まで幅広い世代とのあいだの〈世間話〉を糸口に、この時代を考察する。