ドリコムアイ.net…高校生の進路と教育を考えるWebマガジン
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第57回

2009-07-21UP

ピアサポート委員会の活動(前編)


久田 邦明

「生涯学習と地域のリーダー」
第83回 前編 / 第84回 後編
「情報の受け手の問題」

第81回 前編 / 第82回 後編
「カフェ・バッハのこと」
第79回 前編 / 第80回 後編
「青年団が教えてくれること」

第77回 前編 / 第78回 後編

「就活こそ若者の生涯学習」

第75回 前編 / 第76回 後編
「もう一つの社会について学ぶ」

第73回 前編 / 第74回 後編
「ホワイトキャンバスの10年」

第71回 前編 / 第72回 後編

「地域社会は再生する」

第69回 前編 / 第70回 後編
「講義について考えた」

第67回 前編 / 第68回 後編
「大学をユースセンターへ」

第65回 前編 / 第66回 後編

「コミュニティビジネスの希望」

第63回 前編 / 第64回 後編
「青少年施策を考える」

第61回 前編 / 第62回 後編
「大学生はコンビニで高齢者と出会う」

第59回 前編 / 第60回 後編

「ピアサポート委員会の活動」

第57回 前編 / 第58回 後編
「子どもがいる暮らしの支援」

第55回 前編 / 第56回 後編
「若者の地元志向」

第53回 前編 / 第54回 後編

「高校生世代という捉え方」

第51回 前編 / 第52回 後編
「地域で子どもを育てるスポーツ少年団」

第49回 前編 / 第50回 後編
「子どもの貧困」

第47回 前編 / 第48回 後編

「地域の声は、届かない」

第45回 前編 / 第46回 後編
「大学は難しい」

第43回 前編 / 第44回 後編
「子どものころ、世話になった大人」

第41回 前編 / 第42回 後編

 『歓迎 HUNAN YING』(企画制作/渋谷ファンイン・ピアサポート委員会、25分)というDVDの映像資料を観た。東京都渋谷区の若者たちの活動を紹介するものだ。

 ピアサポートとは、子ども・若者が互いに助け合うという意味だろう。ここで活動する若者たちは、居場所の支援活動、不登校・ひきこもりの訪問型支援事業、相談事業、週末の学習支援事業などをおこなっている。

 映像には、元気一杯の女子中学生、居酒屋で働く若者、大学生や大学院生、若手の社会教育職員、それに加えて彼らを見守る地域の大人たちが登場する。軽快なテンポの映像を通して若者たちが地域活動に熱心な姿が伝わってくる。映像にぴったり合ったお洒落なBGMにも感心する。

 子どもの相手をする若者ボランティアといえば、子ども会のジュニアリーダーが知られている。ここの若者たちもそれと似た位置にいるわけだが、同じではない。「一人でいる子がいれば声をかけるけど、子ども同士で遊んで欲しい」「子どもにグーッといくことはしない」と、ミネと呼ばれる若者が語るように、子どもたちを見守るという関係のとり方である。「中学生と小学生が一緒に遊んでくれればいい」と願っていても、それをせっかちに勧めることはしない。

 子ども会のジュニアリーダーの場合は、レクリエーション指導の活動プログラムに代表されるように直接的な指導性を発揮する方法がとられてきた。しかし、このような方法は、年長の子どもには敬遠されがちだし、そもそも集団に馴染みにくい子どもには最初から忌避されてしまう。そのせいもあったのだろう、時代の変化のなかで、ジュニアリーダーは、1980年代をピークとして、その後は時代に取り残されるようになった。

 これは、子ども会のことだけではなく、高度経済成長期に組織化のすすんだ数多くの青少年育成団体に共通する問題だろう。

 それとはちがってここでは、今日の子どもたちに受け入れられやすい方法がおこなわれており、そのことが注目されるのである。これが実現したのは、旧来の青少年育成活動が壁に突き当った時期に始まった、1990年代末からの居場所づくりの活動を経験してきた若者たちの手による活動だからだろう。




久田 邦明
ひさだ くにあき

首都圏の複数の大学で講義を担当している。専門は青少年教育・地域文化論。この数年、全国各地を訪ねて地域活動の担い手に話を聞く。急速にすすむ市場化によって地域社会は大きく変貌している。しかし、生活共同体としての地域社会の記憶は、意外にしぶとく生き残っている。それを糸口に、復古主義とは異なる方向で、近未来社会の展望を探り出すことが可能ではないかと考えている。このコラムでは、子どもから高齢者まで幅広い世代とのあいだの〈世間話〉を糸口に、この時代を考察する。