ドリコムアイ.net…高校生の進路と教育を考えるWebマガジン
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第58回

2009-07-27UP

ピアサポート委員会の活動(後編)


久田 邦明

「生涯学習と地域のリーダー」
第83回 前編 / 第84回 後編
「情報の受け手の問題」

第81回 前編 / 第82回 後編
「カフェ・バッハのこと」
第79回 前編 / 第80回 後編
「青年団が教えてくれること」

第77回 前編 / 第78回 後編

「就活こそ若者の生涯学習」

第75回 前編 / 第76回 後編
「もう一つの社会について学ぶ」

第73回 前編 / 第74回 後編
「ホワイトキャンバスの10年」

第71回 前編 / 第72回 後編

「地域社会は再生する」

第69回 前編 / 第70回 後編
「講義について考えた」

第67回 前編 / 第68回 後編
「大学をユースセンターへ」

第65回 前編 / 第66回 後編

「コミュニティビジネスの希望」

第63回 前編 / 第64回 後編
「青少年施策を考える」

第61回 前編 / 第62回 後編
「大学生はコンビニで高齢者と出会う」

第59回 前編 / 第60回 後編

「ピアサポート委員会の活動」

第57回 前編 / 第58回 後編
「子どもがいる暮らしの支援」

第55回 前編 / 第56回 後編
「若者の地元志向」

第53回 前編 / 第54回 後編

「高校生世代という捉え方」

第51回 前編 / 第52回 後編
「地域で子どもを育てるスポーツ少年団」

第49回 前編 / 第50回 後編
「子どもの貧困」

第47回 前編 / 第48回 後編

「地域の声は、届かない」

第45回 前編 / 第46回 後編
「大学は難しい」

第43回 前編 / 第44回 後編
「子どものころ、世話になった大人」

第41回 前編 / 第42回 後編

 ピアサポート委員会の映像資料を、今年度の講義の冒頭で紹介した。すると、予想以上に好評だった。社会教育・生涯学習の意義を伝えるという講義の趣旨に合致した、わたしにとって実に好都合な映像資料だったということである。

 学生たちは映像や音楽(BGM)の全体をひとまとまりのメッセージとして受け止めたようだ。その意味でこれは学生たちの感覚と触れ合う1つの“作品”になっていると評価することができる。

 たとえば、協力者リストのテロップと一緒に最後のところで流されるNG場面集を観ると、若者たちが映像制作のプロセスそのものを和気あいあいとした雰囲気で楽しんでいる様子が想像される。このような方法も工夫してピアサポート委員会のたたずまいを伝えてくれるわけだ。

 この映像資料はまた、次のような日ごろのわたしの問題関心を再確認させてくれるものだった。

 ここに登場する地域の大人が、フリーターの若者のことを指して「子どもとかかわっていくのが好きなのかな…、そういう意味でも子どもとかかわるような仕事をしていってもらえたらなあと思っている」と語る場面がある。上映後わたしはこのことばを引用して、若者たちが地域活動を生業にできるような仕組みづくりが、このような活動の次の段階の課題だろう、と付け加えた。

 このところお役所では若者の就労支援関連の施策を熱心にすすめているが、NPOや企業に頼るだけの他人任せの印象を受けることもないわけではない。若者の自立支援をいうのであれば、まずはお役所が率先して若者の就労を確保するべきではないだろうか。その場合に終身雇用と年功序列のモデルが通用するとは思えないが、昔の職人の修業期間のような意味で若者を雇用する道はあるはずである。

 この映像資料は、社会教育・生涯学習への学生たちの問題関心を呼び起こすものだが、それだけではなく、それに加えて、行政施策や地域の大人の課題について考えさせてくれるものでもある。それは、若者が地域社会を支える活動を生業にするための条件を整えるという、これからの地域社会に必用不可欠な課題である。




久田 邦明
ひさだ くにあき

首都圏の複数の大学で講義を担当している。専門は青少年教育・地域文化論。この数年、全国各地を訪ねて地域活動の担い手に話を聞く。急速にすすむ市場化によって地域社会は大きく変貌している。しかし、生活共同体としての地域社会の記憶は、意外にしぶとく生き残っている。それを糸口に、復古主義とは異なる方向で、近未来社会の展望を探り出すことが可能ではないかと考えている。このコラムでは、子どもから高齢者まで幅広い世代とのあいだの〈世間話〉を糸口に、この時代を考察する。