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野生動物保護は、きわめて精神性の高い取り組みです。絶滅危惧種に数えられる希少動物の例をだすまでもなく、動物を、あえて保護しなければならないような現状を招いたのはすべて人間ですからね。つまりそれは、これまでの私たちのものの見方や考え方を変えるところから始めなければならないわけで、専門技能を養って社会に送り出すことを目的とした専門学校には、馴染みにくいのではないでしょうか。
私の知る限りでは、野生動物の保護に携わる人材養成を目的とした専攻をもつのは、この東京コミュニケーションアート専門学校のほかに北海道、名古屋、大阪に各1校。いずれも本校の姉妹校です。
――馴染みにくいテーマを、どういったプログラムを通して学ぶのですか。
科目としては生物学にまつわる科目が多いですね。「動物の体のしくみ」「両生類・爬虫類学」「基礎生物」「生物分類」「野鳥学」「動物行動学」「植物学」「海洋哺乳類」などは動物保護に携わる際に必要な最低限の知識です。また、環境にまつわる科目も少なくありません。「里山の生態」「環境保全学」「環境アセスメント」などがそうですね。
技術的な側面はフィールドワークを通じて身につけます。野生動物の保護は、その実態調査が不可欠ですから、アウトドアで観察や調査を実践しています。
――先の高い精神性は、どのように養っていくのでしょうか。
絶滅危惧種だから、希少動物だから「保護する」では、単に現状をとらえての行動方針に過ぎず、生涯をかけて保護活動に尽くそうと思うような、危機感や使命感を芽生えさせるのは難しいのではなでしょうか。ライフワークとして保護活動に取り組もうという意欲は、知るだけでなく、何をすればいいのか自分で導き出してこそ芽生えるのだと思います。
そのために私は、事あるごとに自分が動物写真家になるきっかけになった経験を話したり、動物保護にまつわる矛盾を話したりして、学生に、生物多様性を自分にも身近な問題としてとらえることができるような、そんな機会を与えているつもりです。
《つづく》
■東京コミュニケーションアート専門学校
http://www.tca.ac.jp/
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